Panavision LCND 可変ND
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『バーニング 劇場版』(イ・チャンドン)、ようやく観れた!
劇場版って?なんだ?海外では去年の初夏に公開しているのに今更公開って?イ・チャンドンの新作が1館のみってどういうこと?という憤りはあるけど、海外で先に観た方からは、とにかく良いことしか聞いてなくて、期待満々で映画館へ
その期待は裏切られることはなく、もう歯応えがすごくて、いつまでも咀嚼をしたくなる。イ・チャンドン、村上春樹の原作に囚われず、且つ原作の敬意は失わず、そして80年代の原作を現代へ翻案したすごさ。出てくる人たちがクソで冴えないのも素敵すぎる。
ギリギリ攻めてる映像も素晴らしすぎる、特に夕暮れ時の長回しに戦慄する。映画を観ていることが快楽である作品。自分の知覚を総動員して観て、観た人それぞれの解釈が生まれる作品、これぞ映画。
カンヌ国際映画祭、『バーニング』ではなく、『万引き家族』が選ばれたことは奇跡と思った。
今年はまだ観ている映画は5本とすごく少ないのだけど、大当たり続き。
『ファースト・マン』(デミアン・チャゼル)と桜田五輪相の「がっかり」発言
アメリカの宇宙ものの名作は近年だけでも、『ゼロ・グラビティ』『オデッセイ』『インターステラー』とあるけど、いずれも人に寄り添った演出を見せてくれる。
チャベル監督の『ファースト・マン』はさらに削ぎ落とすような形で進めた作品だと思う。史上最大のプロジェクトの中にいる最少単位である個人アームストロング船長に徹底して寄り添う演出を見せてくれた。
有名な月面に立つ宇宙飛行士とアメリカ国旗の写真、『ファースト・マン』ではこの国旗を立てる場面はないし、国旗が出てくるのは引き絵のワンカットだけ。この描写だけでもチャベル監督の意図がわかる。この映画がアメリカとソ連の宇宙競争の勝利の象徴、現代の英雄物語を美化して描くのが目的ではないことを。
夏の名残、秋、冬の始まり
彩り豊かな秋
先日、出先で見上げたら見えた木々
今年は暖かいから色づきはイマイチかもしれないけど、日本の季節の変わり目は本当に楽しい。
『2001年宇宙の旅』70mm版特別上映
先週金曜日に『2001年宇宙の旅』70mm版特別上映を観てきました。大満足です!!
上映前にフィルムセンターの学芸員の方から、映画に関しての解説。そのときに50年前初公開時のシネラマで観た方はいますか?と声をかけたら、数人の方が手を挙げられたので、みんなで拍手をしました。
最前列に座り、幕が上がるときからワクワク、スリットスキャンで陶然とする。没入感が尋常でなく、映画館で映画を観ることの楽しさを堪能です。
早朝から当日券取るために並ぶことから始まり、一本の映画を観るのに1日がかり、こんなこと二度とないでしょう。
明日明後日で日本では終映、今まで以上に混雑が予想されますが、それでもこの映画を70mmフィルム上映で体験するのは、大きな宝になると断言!
今回の上映に尽力した全ての人たちに感謝します。