ミキ日記

御木茂則のブログです。

『ファースト・マン』(デミアン・チャゼル)と桜田五輪相の「がっかり」発言

アメリカの宇宙ものの名作は近年だけでも、『ゼロ・グラビティ』『オデッセイ』『インターステラー』とあるけど、いずれも人に寄り添った演出を見せてくれる。
チャベル監督の『ファースト・マン』はさらに削ぎ落とすような形で進めた作品だと思う。史上最大のプロジェクトの中にいる最少単位である個人アームストロング船長に徹底して寄り添う演出を見せてくれた。
有名な月面に立つ宇宙飛行士とアメリカ国旗の写真、『ファースト・マン』ではこの国旗を立てる場面はないし、国旗が出てくるのは引き絵のワンカットだけ。この描写だけでもチャベル監督の意図がわかる。この映画がアメリカとソ連の宇宙競争の勝利の象徴、現代の英雄物語を美化して描くのが目的ではないことを。

対して金メダル候補の競泳の池江璃花子選手の白血病公表について、五輪の「盛り上がりが若干下火にならないかと心配」「本当にがっかりしている」と、人よりもメダルや五輪を慮る発言をした桜田五輪相の視点は真反対に思えます。
この人が映画を作ったら、人を物語の駒のように進めるつまらない映画しか撮れないと思う。桜田氏は映画監督ではなく政治家ですが、どんな職業でもどこに視点を持って生きていくのかは大切なことで、そのことを私が考える場合は映画で考えるのが一番楽なので、例えさせていただきました。

正義漢面してうっとおしい投稿ですが、あんまりにもあんまりだと思ったのでほざかさせていただきました。

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